ピアノという楽器をご存じでしょうか。合唱や授業などで一度は目にしたことがあると思います。
しかしその反面「ピアノ」が正式名称ではないことはあまり知られていません。
私も実際生まれてから数十年間、ピアノは「ピアノ」というのが正式名称だと思ってました。
今回はピアノの正式名称は?そして意味や由来、また実は「チコちゃんに叱られる!」でも紹介されたというのも含めて、ご紹介していきましょう。
ピアノの正式名称は?
ピアノは正式名称を「Gravicembalo col piano e forte」(グラヴィチェンバロ コル ピアノ エ フォルテ)と言います。
それが段々と省略されて、「Pianoforte(ピアノフォルテ)」と呼ばれるようになり、更には「forte(フォルテ)」まで略されて「piano(ピアノ)」と今の略称になりました。
ピアノの正式名称の意味は?
ピアノの正式名称は全てイタリア語になっています。
一つずつ区切って、意味を理解していきましょう。
- グラヴィ ⇒ 大きな
- チェンバロ ⇒ チェンバロ
- コル ⇒ with(と、ともに)
- エ ⇒ and(そして)
- ピアノ ⇒ 弱く
- フォルテ ⇒ 強く
まず最初の「グラヴィ」は「大きな」という意味で、チェンバロはピアノの前身楽器です。
なので「グラヴィチェンバロ」は「大きなチェンバロ」という意味です。
次の「col(コル)」は英語で言うと「with(と、ともに)」と同じ意味で、「e(エ)」は英語で言うと「and(そして)」です。
そして「piano(ピアノ)」は「弱く」という意味で、「forte(フォルテ)」は「強く」という意味になります。
つまり正式名称の意味は「弱い音も、強い音も出る、大きなチェンバロ」という意味なんです。
ピアノの正式名称の由来は?
ピアノは、1709年にイタリアのハープシコード(ピアノの前身楽器)制作者バルトロメオ・クリストフォリによって発明されました。
そして「Gravicembalo col piano e forte」と命名しましたが、正式名称になぜ「弱い音も強い音も出る」と表現されているのか気になりませんか?
それはピアノが発明される以前の楽器は「クラヴィコード」と「ハープシコード」が鍵盤楽器の主流でした。
クラヴィコードは音の強弱がある程度得られ、押さえたまま動かすことでビブラートを得られるが、音量が極めて小さく楽器周辺の数人しか聞こえませんでした。
またハープシコード(通称チェンバロ)は材質によって音質が変わり、音量もクラヴィコードより豊富でしたが、逆に音の強弱はあまり表現できませんでした。
そんな中で表現しにくかった「音の強弱」が鍵盤の押す力によって可能になる機能(ハンマーアクション)を持ち、尚且つ音量も豊富な楽器がピアノなのです。
だから当時の音楽家の中では「弱い音も、強い音も出る、音量も豊富な楽器」として命名されました。
ピアノの正式名称は「チコちゃんに叱られる!」で紹介された
またピアノの正式名称は「チコちゃんに叱られる!」の番組内の「略さないで言ってみよう!のコーナー」でも取り上げられました。
番組内で出た当初は「ピアノ」が正式名称だと思っていたので、チコちゃんに叱られましたね。
でも、ピアノの正式名称を言える人って、そうそういなかったのでは・・・。
ピアノの正式名称まとめ
今回はピアノの正式名称についてご紹介しました。
ピアノの正式名称を「Gravicembalo col piano e forte」(グラヴィチェンバロ コル ピアノ エ フォルテ)と言います。
正式名称の意味は「弱い音も、強い音も出る、大きなチェンバロ」で、当時の楽器では出せない音の強弱と音量の豊富さを兼ね備えた楽器でした。
実はピアノが正式名称ではないことを知っておくと、豆知識を披露できるかもしれませんね。