皆さんは、「dnaの正式名称は?」と質問されて、すぐに答えが出てきますか?
普段意識せず、私たちはdna(ディーエヌエー)と略して呼んでいますが、「その正式名称は?」と問われると聞いた記憶があるものの、思い出せなかったりしますよね。
私も、実際しばらく考えて降参し、結局検索して調べてしまいました。
本記事では、dnaの正式名称は何か、英語やカタカナではどう書くのかをお伝えします。
dnaの正式名称は何?
dnaの正式名称は、「デオキシリボ核酸」と言います。
英語表記では、deoxyribonucleic acidと言い、一般的にはこの頭文字をとってdnaと略して呼ばれています。
deoxyribonucleic acidをカタカナに直すと、「デオキシリボヌクレオチド」となります。
日本では、この「デオキシリボヌクレオチド」が、「デオキシリボ核酸」を指す英語として伝わっています。
しかしこのままカタカナを読んでも、恐らく英語圏の人には伝わらないでしょう。
私が耳で聞いた英語の発音をカタカナで再現してみたところ、「ディオキシライボ ニクレオカーシッド」と、聞き取りました。
相当違いがありますよね。
dnaの正式名称は全文20万文字以上?長い理由は?
dnaの正式名称は、日本では「デオキシリボ核酸」と呼ばれているとお伝えしましたが、化学名で表した正式名称ではなんと、全文で20万7,000文字にもなると言われています。
dnaの正式名称が、全文20万文字以上もある理由を一言でお伝えすると、dnaが構成されている元素たちが全て並ぶとそれだけの数になるためです。
まずdnaというのは、人間の細胞では核の中の染色体にあり、A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)T(チミン)という4つの塩基と呼ばれる物質の並び順でできています。
そして、遺伝などの情報はAGCTからなる長い文字列としてdnaに書き込まれているのです。
そのdnaの配列されている元素を全て化学名で表示すると、20万7,000文字という膨大な数になってしまうのです。
ちなみに、dnaの正式名称は世界一長い英単語としても知られています。
20万7,000文字を原稿用紙に書き起こすと、約518枚にもなります。全て手書きするとしたら、何日もかかりそうですよね。
dnaの正式名称の由来は?
dna(デオキシリボ核酸)の正式名称は、1889年にドイツの有機化学者アルトマンにより命名されました。
時はさかのぼること1860年代後半、スイスの有機化学者・ミーシャが病院から膿が付着したガーゼや包帯を集めて新しい強酸性の化合物を発見しました。
ミーシャはその化合物をnuclein(ヌクレイン)と命名しています。ヌクレインは、炭素、窒素、酸素、水素の他に、多量のリンも含んでいました。
ミーシャがヌクレインと名付けたのは、核にある特有なタンパク質を意味するものとしたのではないかと言われています。
しかしその後、1889年にドイツの有機化学者アルトマンが、タンパク質ではなく新しい高分子の化合物であるとし、「核酸Nucleic Acid」と命名しました。
以上がdnaの正式名称の由来とされています。
dnaの正式名称まとめ
dnaの正式名称について、次の3つのことを解説しました。
- dnaの正式名称は、日本語では「デオキシリボ核酸」で、英語では「deoxyribonucleic acid」
- dnaの配列されている元素を全て化学名で表示すると、20万7,000文字という膨大な数になり、世界一長い英単語として知られている
- デオキシリボ核酸というdnaの正式名称の由来は、スイスの有機化学者・ミーシャが命名したヌクレインが始まり
普段何気なく私たちが用いているdnaという言葉にも、色々なエピソードがあることが分かって興味深かったですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。